CaMiL

もの作ることで幸せをいただいて、さらさらと暮らしたい

進化論

 進化論に興味がある。雑誌や書籍を集めて読んでいる。
 今から150年前にダーウィンが論文を発表して以来、未だ進化論はあらゆる分野から調査、研究され発展し続けている。当初の進化論は科学者でなくとも理解できるほど明解な理論だった(異変が起こる理由など詳細な点において言説されてない部分が多かった)けれど、今ではより詳細な点においても進化論の裏付けが及んでいる。現在の進化論は複雑極まりない。生命の進化を研究するということは自然の流れと共に研究は進められる。ライフサイクルが短い生命での研究においては、それなりに解明されている部分もあるようだけれど、最終的な「我々はどこからきて、どこへいくのか」という、複雑な生命が複雑な社会に生きていくというところまできて、進化論をさらなる複雑さへと発展している。系統樹はいったいどれほど複雑な樹へと成長したただろうか。
 生きることは進化し続けること。だから興味が沸く。環境に適応するために生命は進化する。だけど、人は正しく進化して(生きて)いるだろうかとよく疑問に思う。様々な環境問題が露呈し、警鐘が鳴り止む様子はない。人は自然を支配するのではなく、自然と同調するほうが生きる方法として確実だと思う。生命が環境に適応するとはこの宇宙(地球でもいいんだけど)でその種が生き続けていく状態をいうのだろう。だから人は個を超え次へ、未来へ繋がる生き方を選択しなければいけない。
 人の文化はそれぞれの環境に合った生き方を意味する。つまり文化と共に人も進化してきたといえる。現に文化圏の異なる食生活によって人の消化能力(DNA)はそれぞれ違うという研究結果がある。日本には日本の文化があり、他の国にもその国の文化がある。それは生命としての多様性に繋がるけれど、社会のグローバル化、合理化から人の生命は画一化に向かおうとしている。それはつまり多様性が無くなる事を意味する。極論だけれど、画一化された生命は一歩間違えれば総倒れするだろう。そんな不自然な生命は自然の環境の変化に真っ先に適応できなくなるのではないか。僕はそんなのはまったくご免被りたい。これは個人の問題ではないので不安だ。
 そういうことを考えてしまう。


日経サイエンス 2009年 04月号 [雑誌] NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2009年 02月号 [雑誌] 種の起原〈上〉 (岩波文庫) 種の起原〈下〉 (岩波文庫)