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もの作ることで幸せをいただいて、さらさらと暮らしたい

奥山清行 「伝統の逆襲 日本の技が世界ブランドになる日」


 デスクの上に積読してあった本だけど、手に取ったが最後一気に読んでしまった。おかげで制作が進まなかったがこれも重要な勉強。ものづくりの世界でどう生きるかと考えている人にとっては必読書ではないだろうか。自分の好きなもの作ってるだけの人なら、どうでもいいだろうけど。読んで知ってほしいね。
 とにかく刺激的な本だった。著者の奥山清行は元GMのチーフデザイナーからフェラーリのデザインディレクターと世界的な車を生み出したカーデザインのプロフェッショナル。この本で初めて知ったが、金沢美術工芸大学客員教授で来ていらっしゃる。柳宗理奥山清行と、工業デザインの分野での先駆者を取りそろえて、すごいぞ金沢美術工芸大学。これはもうデザイン科へ足を伸ばさなくてはいけなくなってきた。
 アメリカへ留学後、GMに就職しキャリアをスタートさせ、チーフデザイナーからフェラーリのデザインと世界で認められたが、アメリカやヨーロッパでのものづくりは世界的に成功しているのに日本のものづくりはなぜ成功していないのかと疑問にもつ。世界と比較したとき、その問題は日本人の性質と社会構造にあるという。日本には世界に通用する技術を持った職人と伝統があるのにそれを生かす術を知らない。そういった問題を指摘し自ら日本のものづくりを復活させるために日本に戻ってきた。山形カロッツエリア研究会を立ち上げ。山形工房を代表し地場産を生かした鋳物や木工家具の製造販売を行っている。個人的に鋳物にも関わっているので俄然興味がわいた。山形の鋳鉄技術で主に鉄瓶をデザインしている。是非とも見学へ行きたい。鋳物だけでなく地場産を生かし世界に通用するもの作りにも大変興味がある。2006年から日本で活動しているとのことで、まだまだ活動を始まったばかりだが、すでに結果が出始めている。それはあの村上隆も採用した「黒船作戦」。まずは海外で認められて、日本に帰ってくるという作戦で村上隆は大成功しているが。山形工房も既に海外では日本独自のブランドとして賞賛され。日本で売れ始めるのも時間の問題のようだ。
 そろそろ身の置き決めないといけない時期でもあり、そういった参考にもなった。春休みには山形見学会を独りで開催しないといけない。新潟にも行きたいところがあるから丁度よい。楽しみになってきたぞー。
 その前に車を雪国仕様にするのとETCを搭載しなくては…。
 

伝統の逆襲―日本の技が世界ブランドになる日
奥山 清行
祥伝社
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おすすめ度の平均: 4.5
4 山形で頑張る人がいる
5 前著よりも、伝えたいことが鮮明になった印象。
4 新鮮でした。
5 著者自身が「黒船」